綾渡夜念仏と盆踊り

綾渡は香嵐渓から東へ5km、標高500mの山間に点在する戸数20数戸の山里です。
この地に平勝寺という曹洞宗の古刹があります。このお寺を中心に行われる盆踊りの行事です。

もともと夜念仏は、新仏(1年のうちに亡くなった人)のある家をめぐり、その霊を慰めるために、回向(えこう)し、余興として手踊り(盆踊)を踊る盆の行事です。かつては、三河山間部から岐阜県の恵那市(山岡、串原、上矢作)にかけて広く行われ、足助地区でも葛沢町や切山町など14地区(17の村)で行われていましたが、今も伝わるのは、この綾渡の里だけです。

月明かりの中、静かに念仏を唱和する声が、鉦(かね)の音とともに高く、あるいは低く、流れてきます。星空をながめながら、無心にこの念仏の声に聴き入ると、ことばで言いあらわせない境地に引き込まれてゆきます。

綾度の夜念仏には、民俗芸能という呼び名はふさわしくなく、人々の仏に対する祈りそのものなのです。

綾渡の盆踊りは楽器を使わず「音頭とり」の唄に合わせて、下駄の足拍子だけで踊る素朴な踊りで、平成9年に国指定の重要無形民俗文化財になっております。

住所 豊田市綾渡町(旧足助町)・平勝寺境内
日にち 例年8月10日と15日
時間 午後7時頃~
開催場所 豊田市綾渡町(旧足助町)・平勝寺境内

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昔の夜念仏


夜念仏は、若連中(35歳までの青年)の盆の行事で、昔は旧暦の7月1日から17日まで行っていました。1日は『地獄の口開け』で練習開始日、10日は平勝寺の施餓鬼供養、13・14日は新仏のある家を回り、15日は他村へ、17日は平勝寺の観音供養でした。


今の夜念仏


青年の数が少なくなり、若連中では継続ができなくなったので、昭和35年に保存会を結成しました。そして、新仏のある家を回ることもなくなり、今では8月10日と15日の2回、平勝寺境内で行っています。午後7時頃に平勝寺の参道の幟立てに集合して隊列を組み、『道音頭』を唱えながら、石仏の前で『辻回向』、山門前で『門開き』、観音堂前で『観音様回向』、氏神神明宮前で『神回向』、最後に平勝寺本道前で『仏回向』を唱えて終わります。

盆踊りは、楽器を使わず、『音頭とり』の歌う唄に合わせて下駄の足拍子だけで踊る、素朴な踊りです。
今は音頭とりが踊りの輪の外に出て歌いますが、昔は特定の音頭とりはなく踊り子の中で歌に自信のある人が、踊りながら歌ったといわれます。越後甚句・御岳扇子踊り・高い山・娘づくし・東京踊り・ヨサコイ・十六踊り・御岳手踊り・笠づくし・甚句踊り(足助綾度踊り)の10曲の唄が伝えられていますが、扇子を使う踊りと使わない踊りがあります。昭和20年代の終わり頃から女の人や子供達も参加するようになり、今では老若男女が輪になって踊ります。


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